男性が育児休業を取得した方がいい5つの理由(2日目)
5つの理由1、2はコチラ


育児休業はかけがえのないキャリア
よく産前産後休業や育児休業は「キャリアの空白」と言われます。もし「職場に出勤をすること=キャリア」なのであれば確かに空白なのかもしれません。
しかし、出産や育児に関わる休業は、本当にその人の「キャリア」にならないのでしょうか?
私は育児休業を取得した2ヶ月間、1歳のよちよち歩きの子どもを連れて、はたまたベビーカーを押して、あちらこちらへ出かけて行きました。この「ひとりで乳児を連れている親」としての体験は、私の現在の職務にとても役立っています。
私は建築設計に関わる仕事をしていますが、乳児を連れている親として、どんなことに不便を感じていたか、どんな設備があると便利だったか、同じ設備があっても配置によって使いやすさが違う、使いやすいのはどんな配置だったか、そういった実体験に基づく感覚が、設計に役立っているのです。
これは私の仕事が建築に関わるものだから役に立った、ということではなく、育児や家事、それに関わる生活の実感というものは、どんな職種においても活かしていけるものだと思います。育児世代の一番の当事者として、会社に対して「当事者ならではの貢献」ができる場面というのは、どんな仕事でも必ずあると思うのです。
育児や家事の「困った経験」などが仕事をするうえで直接役に立つこともあるでしょう。
職場の環境改善やこれからの育児世代の待遇改善にひと役買えることもあるでしょう。
育児や家事を自分事としてやってきた人にしか見えていない世界は必ずあるのです。それをうまく活かすことができれば、出産や育児に関わる休暇は「キャリアの空白」どころか「他では得られない、かけがえのないキャリア」となり得るのです。


4 キャリアを見直す機会を得られる
育児休業を取得するということは、一定期間職場を不在にすることになるため、否が応でも自分のキャリアを見直す機会になります。
夫婦でお互いのキャリアについて話し合い、相互理解を深める機会にもなります。
もしかしたら「男は40年間フルタイムで働かないといけないんだ!」と思い込んでいたのに「私が働くからあなたは主夫でもいい。」なんてことを言われるかもしれません。
我が家でも育児休業の頃、お互いのキャリアについて話をする機会をたくさん持ちました。
その中で、妻が「自分(妻)が働いて収入を得ていること」をとても大事に思っていることが分かりましたし、妻は「私(夫)が今の職場で定年まで勤めるのは当然のこと」と思っていたので、そうではない選択肢も私の中にはあるのだ、ということを伝えることもできました。納得したかどうかは分かりませんが(笑)
ただ、話をできたこと、話をすることで自分の考えを整理できたことは非常によかったと思っています。
終身雇用制度が前提で成長してきた日本の社会では、男性は、働き出してから退職するまで「自分の働き方、生き方」を見直す機会なんて殆どありませんでした。あるとしたら、体を壊して入院、職場を長期離脱、の時ぐらいでしょうか。
育児休業を取得すれば、前向きな気持ちで自分のキャリアや生き方そのものを見直す機会を手にできるのです。



5はまた明日。
画像はH22.2.2に生まれたゾロ目の女の子の出産祝いカード♪ 似顔絵byあさむらゆき