kei78202009-10-21

何でもデジタルな時代である。
手紙なぞ書かなくても、メールでチョンだ。最近字を書くのも億劫になってきている。
うちの掃除はお掃除ロボット「ルンバ」が自動でやってくれる。ボタン一つで部屋中掃除してくれる優れものだ。
身体がなまらないための軽い運動は基本的にWiiFit。ゲーム機が私の身体の管理をしてくれる。
絵を描くのもパソコンで描けてしまう。自分の腕じゃブルッて描けない様なとても美しい曲線や細かい絵がいくらでも描ける。
アニメーションもその気になれば素人だって相当なものが作れる。


でも、だからこそ、アナログなものを作っていきたい。


アニメ作ってメールで送れば済むところを、「とびだすカード」を制作して郵便で送る。
送った相手が「とびだすカード」を開く瞬間を想像しながら作る。送る。
その行為の中にはきっと、「カード」が届くまでに、色々なカタチで「人の手」が介在したという生々しい実感が残していけるのではないだろうかと思う。

昔、高校生の頃、友人が、アメリカにおける銃社会の問題について「銃を全部日本刀にしてしまえばいい。銃だったら人差し指をちょっと動かすだけだが、日本刀なら人を殺すという実感が生々し過ぎて簡単には殺せないだろうから。」と言っていた。

昔、映画が登場した当時、「これでもう舞台演劇は廃れていくだろう。」とまことしやかに囁かれたそうだが、それから100年、舞台演劇は廃ることなく、観客に一期一会の生ものを提供し続けている。



今日は大切な友人に送るためのお祝いのカードと、最近お知り合いになったあの方へ送るためのカードを制作。
少しでも「生々しい」感触を伝えられるだろうか。



写真はとびだす動物カード「虎」
年賀状用につくったが、組立があまりに大変なので、量産できそうなものを再考予定。
散々能書きたれておきながらアンタ…。